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響きはどこまでも情緒纏綿と♪

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メトロポリタン歌劇場2011年来日公演『 ラ・ボエーム 』に行ってきた。

指揮:ファビオ・ルイージ(←J.レヴァイン)
ミミ:バルバラ・フリットリ(←アンナ・ネトレプコ)
ロドルフォ:マルセロ・アルバレス(←ジョゼフ・カレーヤ)

演出:フランコ・ゼフィレッリ

実際、ミミとロドルフォは昨年のトリノ王立劇場来日公演の『 ラ・ボエーム 』と同じ組み合わせになっちゃいましたが・・・。
これでノセダが代役だったら観に行かなかったかも(そして後悔しただろう)。
指揮者と主役二人が交代、原発事故の影響でネトレプコはチェルノブイリのトラウマがあるそうで。
同じ来日公演で『 ドン・カルロ 』のエリザベッタを歌いに来日したフリットリが飛行機を降りたらミミに変わったのでヨロシクと告げられてビックリしたそうだ。

そんな色々あった来日公演だけど、結果的には磐石の布陣で臨む『 ラ・ボエーム 』となりました。




まずは素晴らしかったのが、ロドルフォ役のアルバレス。
昨年のトリノのときはHi-C回避だったり、それほど調子は良くなかった。
今回は本来のキャスティングが彼でも良かったのではないかというぐらいの調子の良さ。

情感の発露、声質の明るさ、ロマンティックな艶のある響き。
アクートの力強さも鳴りも半端ない。

『 冷たき手を 』のHi-Cもクリアで聴き応えある迫力。

彼の最後の“Mimi・・・!”という慟哭で思わず、不覚にも、涙した。


そして貫禄のという言葉が似つかわしくなってきた、バルバラ・フリットリ。
この人のミミは何度観ても聴いても涙腺を刺激する。
ちょっとかすれた箇所はあったけど、それも気にならないほどの演唱にうっとり。


端役だけど、道化役のべノアとアルチンドロをMETの大御所ポール・プリシュカが演じていたのが嬉しかった。
80年代のMETのビデオでは必ず目にする常連歌手。トゥーランドットのティムール、シモン・ボッカネグラのフィエスコ、トロイアの人々のナルバールなどなど何回見返したことか。
お元気で来日されたことが本当に嬉しい。


児童合唱・・・流石に来日はできなかったか、TOKYO FM児童合唱団とのこと。
2幕に非常に活躍する児童合唱、ことごとく演技が下手、というか可愛くない。
品祖でそこだけ学芸会?という感じでトホホなでき。
NHK少年少女合唱団(だっけか)を使っても同じかなぁ、いっそ芦田愛菜でも使っとけ。


指揮のファビオ・ルイージ、この人のオペラは生は初めて。
実演だとマーラーのコンサート(ドレスデン)でその響きを堪能した。

この人のオペラでの音作りが本当に情緒纏綿で素晴らしい。
イメージで申し訳ないけど、この人の音楽はもっと知性を優先させたかっちりしたものかと思ってました。
それをマーラーのコンサートでもイメージを裏切られたこと、思い出しました。

特に素晴らしかったのが第3幕のアリア『 あなたの愛の声に呼ばれて出た家に 』から続く二重唱&四重唱、第4幕の冒頭の二重唱。
結構歌手をひっぱり情感を引き出す、出色の指揮さばき。



ボエームはビデオでも実演でも何回も見ているけど、その音楽の美しさ、青春の普遍性、ノスタルジィの罠に毎回やられてしまう。
by amarali1969 | 2011-06-17 23:17 | 音楽


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