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トリノ王立歌劇場の『ラ・ボエーム』♪

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指揮:ジャナンドレア・ノセダ
ミミ(sop.):バルバラ・フリットリ
ロドルフォ(ten.):マルセロ・アルヴァレス
マルチェッロ(bar.):ガブリエーレ・ヴィヴィアーニ
ムゼッタ(sop.):森麻季
ショナール(bas=bar.):ナターレ・デ・カローリス
コルリーネ(bas.):ニコラ・ウリヴィエーリ
トリノ王立歌劇場管弦楽団・合唱団
杉並児童合唱団
演出:ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ(ヴィットリオ・ボレッリ復元演出)

本日は有給休暇をとって東京文化会館へオペラを観に行ってきた。
イタリア最古参の歌劇場、トリノ王立歌劇場の『ラ・ボエーム』だ。

今日の東京は34度!
そんな中、年末から春先にかけてが舞台の『ラ・ボエーム』です、雪がチラついて、凍える手が冷たい! そんな情景は脳内補完。

ジャナンドレア・ノセダの指揮は、この起承転結ばっちりのオペラを敢えてメリハリをつけず、終始はっちゃけること無く、美麗に響かせる。
それはあたかも第四幕の悲劇的結末を予見させるようで、通奏低音のように死の気配がまとわりつく。そういう解釈も面白いといえば面白い。

ただ、やっぱり『ラ・ボエーム』というオペラは、最終幕にどれだけノスタルジーを感じられるか、楽しかったあの頃を走馬灯のように回想できるか、その落差に観客はせつなさのどん底に突き落とされるわけです。

なので、一幕・二幕、三幕のムゼッタとマルチェッロのパート、四幕の前半はこれでもかっていうぐらいコテコテのはっちゃけた楽しさが欲しい。ま、好みですがね(^^;

そうは言ってもノセダの第四幕後半の節回しは絶妙で、最後の一音までが悲しみに溢れています。拍手も忘れるほど、せつなく、沈痛。

演出・舞台は空間の余白を巧く使うことで、歌手の心情をフォーカスする絶妙の配置に感心。
第三幕の雪の舞い散る冷たく透明な情景の美しいこと!

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歌手ではミミのバルバラ・フリットリが絶品!
容姿・声質・演技、全ての要素がまさにディーバのオーラ漂う貫禄。
アンサンブルオペラのバランスを壊すことなく飛びぬけた実力を遺憾なく発揮。

ロドルフォのマルセロ・アルヴァレスは、リリックな美声で期待通りの適役。
ただ、一幕は声の伸びがイマイチであまり前に飛んでこない。
見せ場の『冷たき手を』でも音を下げてHi-Cを回避(DVDで出てるメットのカレーラスと同じね)。
後半に行くにしたがって上がり調子でフリットリと遜色なく渡り合える声質になったのは良かった。

期待以上に良かったのは森麻季のムゼッタ。
線の細いキャラ&声質ながらも艶っぽいムゼッタを頑張って演じていたのが好印象。
ただ、これは演出・衣装の問題なんだろうが、元来ムゼッタって、彼女が登場すると舞台上の空気がガラッと変わる、そんな役割が音楽的にも演劇的にもあると思う。
第二幕の初登場でもど派手に登場して、それまでの和気藹々としたロドルフォ一行の空気を一変させる。三幕でも悲しい別れのデュエットを歌うロドルフォとミミのかたわらでマルチェッロとの罵り合いで、その対比の妙という異質な空気の歪みをもたらす。そして四幕のロドルフォ達の悪ふざけ馬鹿騒ぎをばっさり凍りつかせる登場。
この空気を変える効果が全くといっていいほど空振りに終わっている。
二幕の初登場ではエキストラの娼婦のほうが派手はでしく、全然目立たなくって思わず探しちゃったほど。

トリノの管弦楽団はノセダの意図ということで鳴りをひそめがちな演奏ではあるものの、歌手に寄り添う劇場職人的な巧さのあるオケでした。

いろいろ目に付くことはあったけど、非常にレベルの高い公演であったことは確かで、感動的な上演に立ち会えた幸せに大満足の一夜だった。
by amarali1969 | 2010-07-28 23:35 | 音楽


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